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 ユキとゼンの事を考えると一睡も出来なかった。

朝からずっと頭から離れない、翌日のことが気になって仕方なかった。
「次はあたしの番だってはしゃいでいたじゃない。あたし」
独り言が口を突いて出た、なにも手に付かずにスマホを覗いたらユキからラインが届いていた。
どうやら今し方受信したばかりのようだ。

「明日って楽しみだね~~!」
 「ゴメン、マジやばい」
「なに言ってんの、ずっと憧れてたことが、憧れの人とできるんだよ」
 「でもねえ、いざとなったら怖じ気づくのが乙女なの、ユキちゃんって変態かも」
「なになに、あたしを褒めてるの」
 「こういうことってハプニング的にするもんじゃないの、日にちの指定とかマジで無理かも」
「じゃあ止めてもいいんだけど」
 「やるに決まってるじゃん、台風が来て電車が止まっても行くからね」

ユキからのラインに付き合っていた、他愛の無い会話していたら気持ちが落ち着いてきた。
あたしって大人の女よ、って言われてるみたいで腹が立つけど、あたしだってもうすぐだもん。
「まあ頑張ってね、ベッドで目を瞑っていたらすぐ終わるから」
 「そうやって言われると、あそこがムズムズしてくる」
「そうよ言っててあたしもムズムズなんだから
 「見てなさい、明日は決めちゃうから」
 あまりからかうと悪いかな、ユキはそれ以上の書き込みをしなかった。
本当はもっとエッチなことを聞いて欲しかっただけなんだけど。

明日になれば、陽子もバージンを卒業して同じ大人の女になるから
話もしやすくなるでしょ。

 ロストバージン企画の当日、陽子は早起きをして、まだ時間が早いけど
洋服ダンスの鏡の前に立っていた。
女子高生だもん、記念日にはお洒落するのは当たり前だし、
ユキちゃんに負けてらんない、と頑張ってるのである。
 通販で買ったばかりのコスプレ用のセーラー服を着てみたけど
なんだか安っぽく見えてきた。スカートだけ履いてみた。
少し長いかな、ミニスカートだけどひざ上5センチって感じかな。
あと10センチは上げなきゃだけど、そんな短いのはいてたらお母さんに見つかったら
なにを言われるかわかんないから「まあいいや三回折ればそれなりに」っと
 スカートをたくし上げてみた。腰の部分が皺みたいになって膨らんじゃった。
かっこ悪いかな。「いつもの制服を着ていこう」
そこそこ短いし折っても不自然じゃないし。真っ白なブラウスに上着を着てと
「これじゃまんま制服じゃん」タンスから紺のセータを出して着てみたけど、
教室の中で過ごす感じの服装になっちゃったけど、まだましかな。
上には薄手のコートを着よう。そうすればスカートだって極限まで短く出来るし。
去年の誕生日にお父さんにおねだりして買ってもらったコートだった。
「お父さんに買ってもらったコートだけど、今日のことはお父さんには内緒だからね」
ミニスカートをいつもより二つ余計に折って超ミニスカートにしてと。
前に屈むと見えちゃうかも。上にコート着てなかったら
静岡のセノバのエスカレーターには乗れないわね。
でも歩くだけなら少しくらい見えてもいいけど、ゼン君に見せてからなら・・・・・・。
 17歳の女子高生はそんなことを考えながら服を着替えているのだ。
男子からしたら、女の子ってどうすればエッチに見えるのかって計算ずくなんだよ。
だからギリギリのところでエッチな気分を楽しんでいるのだ。
男子にアピールするのは、その次かな。

 出がけにお母さんが変な目で見てたけど外に出たらこっちのものよ。
帰ったとき何か言われないように慎重にやらないとね。
この間、ユキちゃんにシャンプーとボディーソープをいつものブランドを
持って行くように言われたけどマジ良かった。匂いでばれたら目も当てられない。
 いそいそと家を出て、電車の中ではニヤニヤ笑いを堪え、
熱海駅から静岡駅までの道のりは妄想力を全力で発揮していた。
 静岡駅の改札の外の四角い柱の反対側にいて半分だけ顔をだして待っていた。

陽子が改札を出るとゼン君は駆け寄ってきた。
「なんだもう見つかっちゃったのか」
「なあに隠れていたつもりなの」
子供っぽいゼンをみて、たぶん緊張しないようにしてくれているのだと気づいた。
「学校の制服で来たの」
「違うよ、そう見えるけどコートの中は凄いんだよ」
といってコートのボタンを外し前を広げて見せた。
「すっげえミニスカートだね、もしかして気合いを入れてきたとか」
「そうじゃないけど・・・・・・そうなんだけどユキちゃんに言われたのミニスカート履くとエッチな気分になるよって」
「確かに。ボクもエッチな気分になった。早く行こう」
ゼンはコンビニで買った飲み物のペットボトルが入ってる袋を持っている。
「じゃあバスで行くから、それとも何か食べてから行く」
「そうね、まだ朝の九時だよ、緊張しててなにも食べないで来ちゃったし」
「そう朝早く起きたの?」
「お母さんには静岡のセノバで本を買いに行くってあるの」
 静岡駅から歩いて十五分くらいの所にセノバという大きなデパートがあり
その中にジュンク堂の大きな書店が入っているのだ。
そう言ってお出掛けすれば帰りが夕方になっても大丈夫なのだ。
 二人は駅ビルの端の方にあるタリーズカフェで軽くサンドイッチを摘まんだ。
コーヒーを飲みながらまったりしていたら陽子は急に泣き出した。
「ゼン君ゴメンね、あたしら無茶なことお願いして」
「いいんだよ、それにこういうことって、いつかは経験することだし、その相手がボクで良いのかなっとは思うけど」
「いいに決まってるじゃん、高校でゼン君に出会わなければ私も他の子も学校が全然楽しくなかった」
何気ない言葉だけど陽子は”ゼン君のことが大好き”と告白した気分になっているのだ。
この年代で女の子の方が異性に対して積極的なのは仕方ないのだが、
ゼンには陽子の気持ちがわからない。

「もう食べないの、ボクもらうよ」
陽子の食べ残しのサンドイッチをゼンは美味しそうに食べた。

ゼンは言葉に出して言わないけれど陽子の食べ残しを自分で食べて満足していた。
見つめ合う陽子も恋人気分を演出しているよう凄く嬉しくなった。
「じゃあ、あたしはコーヒーもらっちゃおうかな」
すっかり恋人気分になって、これでキスだって抵抗なく出来そうに思った。
 陽子はユキに比べてこういう所が幼ところもあって、可愛さが半端なかった。
こんなことしてゼン君がトラウマになっちゃって、大人になって女の人を見ても
あたし達みたいなおバカと付き合ってたことを思い出して、
真剣に恋愛が出来なくなっちゃったらどうしよう、責任なんてとれないし。
心配性の陽子はずっとそのことで悩んでいた。
おそらくは今日のことが終わって明日になっても悩み続けるに違いない。
それが解っていてもゼン君とのセックスが楽しみなのである。
大きな矛盾を抱えては居るけど目の前にある快楽と将来の不安を
同じレベルで考えるのは違うのではと思っているのだ。
 アパートのあるバス停に着いた。
 部屋に入って陽子は緊張で倒れそうだった。本気で倒れてしまいそうなので
「ベッドだ」どかんと、お尻から飛びこんだ。

ベッドの縁に腰を下ろしコートを肩からはだけるように脱いだ。
紺色のセーターも白いブラウスも自分から脱いだ。
“あたしのこの大胆さってなに”緊張しているくせに自分から脱ぎ出すなんて、
何かに取り憑かれているみたいに身体が勝手に動いちゃう。
 あたしって本当はもっとお淑やかなんですよ
ゼンにそう叫びたかった。
さすがにこれ以上は恥ずかしいと思ったのか、
そのままベッドに上がり天井を向いて寝転んだ。
 ゼンは横に座り陽子の短いスカートから既にパンツが丸見え状態だ。
スカートとの裾を持ち上げ中の白いパンツをまじまじと見る。
「恥ずかしいじゃん」
あたしがいきなり服を脱いじゃったからゼン君もそのきになっちゃったのかな。
本当はなにをしていいのか解らないから、勝手に先走ってしまっただけなのに。

ゼンは自分の服をサッと脱ぎズボンもパンツも一気に脱いだ。
「ボクの方がもっと裸だよ」
ニヤニヤじゃなくて人なつっこくニコニコと笑顔をつくった。
ふざけたような言い方も陽子を気遣ってのことだ。
ゼンの股間には大きくなったペニスが天を向いている。
陽子の白いパンツの上から縦にくっきりとした割れ目に指を触れた。
触るというほどでもなく触れるか触れない感覚だ。
それでも陽子はピクンと身体を反応させた。
「最初はキスからにして下さい」
急に丁寧な言葉になった陽子に驚きながらも緊張が凄いなと思った。
キスはしているときはお互いの顔が見えないから緊張をほぐす為には良い。
しかも舌を相手の口に入れ絡ませるようなキスは必ずに目を閉じるので
恥ずかしさも、反ってすくなるなるのだ。
 左手で顔に掛かっている髪の毛を上げ、陽子の口にキスをした。
ゼンは唇で陽子の下唇を挟むように愛撫した。
物足りないのか陽子は舌をだしゼンの口に入れる。
その舌を唇で挟み吸ってみたり歯で噛んだりしていたが
ゼンも我慢ができず陽子の唇の間を強引に開いて舌を絡め合った。
陽子はユキが言っていた意味がわかった。“キスってセックスよりいいかも”
 この前からずっとしたかったキスだ。陽子は勝ち誇ったような気分になり
あたしだってキスのしたいときに、キスが出来るじゃん。
 だが、すっかり怖じ気づいてしまっている陽子はどうしていいか解らずにいた。
男の子ってあれだから、直ぐにパンツ脱がされちゃうって嘘じゃない。
まだスカートだって脱がされてないし、なにされてもいいんだけどさ!
 こういうときはユキみたいに「セックスしようか」って
言えない陽子はなかなか先に進むことが出来ない。
ゼンにしても陽子のおっとりした清楚な雰囲気が伝わり大胆に出来ないだけなのだ。
「ゼン君、あたしも最初だから好きにしていいのに」
「じゃあ待ってて、風呂にお湯を入れてくるから」
ようやく事が進み始めた。
高校生同士のセックスだもの上手くいかない方が当たり前じゃん。
そう思うことで陽子もいつもの平常心を取り戻していた。
ゼンが風呂場に行っている間にスカートも勝負パンツも全部脱いじゃった。
ベッドに横たわっているとゼンが近づいてくるのが解る。
目を瞑っていたらエッチなことしてくれるかしら。
 ゼンはもう一度陽子の口をふさいだ。両手で二つの乳房を揉んだ。
そして陽子の上に覆い被さり、両足の間に身体を入れ、股を大きく開かせた。
「このま入れられちゃうのかな」
まさかこれからシャワーだし。
ゼンのキスは唇から首へ、胸をなめ回しながら顔が下がってくる。
両足の太股の内側に舌を這わせてくる。正直言ってくすぐったいけど感じない。
「ゼン君、お口にキスしてくれた方が嬉しいかな」
「どうしたのこっちの方は気持ちよくないの」
「うん、そうでもないけど、そうでもないの」
返事も曖昧になって、ゼンはキスを繰り返した。
 感度の良くない陽子に困っていたけど、秘部への愛撫がまだだったな。
風呂の中で舐めてあげたら喜ぶだろうか。
そんなことを考えながら両手で乳房への愛撫を続けた。
 バスルームへはゼンが先に入った。手招きされたので、もじもじしながら入っていったよ。
近づいたら手をつないでくれて、一緒に入ろうだって。
緊張も頂点だしどうしていいかわっかんない。お風呂に一緒に浸かったよ。
ゼン君が先に入って脚を伸ばしてる。
そこにあたしが入ってゼン君の脚を跨ぐようにしてしゃがむの。
ゼン君のあれがあたしのオマンにピッタリと合わさって変な感じだ
腰が前後に動くたびに秘部がすれてオマンがキュンってなる感じ、
これって気持ちがいいってことかな。
 身体の大きさの差があるから跨いでいることで
顔の高さが同じになって、見つめ合う感じでが素敵だ。
ドキドキしたよ、ゼン君が私の両腕の肘をつかんで腕を首に巻くように誘導してくれた。
あたしはゼン君の頭ごとギュッと締め付けるように腕に力を入れた。
やっぱりユキちゃんの言うとおり密着した感じが嬉しいし、
顔もくっついているから見えないでしょ、だから緊張もしないで男の子の身体のたくましさが、
あたしのお腹に直に伝わった。
 それからしばらくと言うかずっとキスして舌がしびれるほどずっとキスしたの。
ゼン君があたしの腰に手を回してもっとギュッとしてくれた。
愛されてるのかなって勘違いしそう。
 風呂から出たらシャワーだよね。シャワーで身体を洗うのってやっぱドキドキだけど、
先にソープを体中に振りかけて「ソープが下に落ちる前に身体に塗らなきゃ」って
ゼン君があたしの乳房や首や背中に塗りたくったら「陽子ちゃんもボクに塗って」って言うから
同じように背中とか胸に塗ったの、男の子の逞しい胸板って聞いただけでもキュンとするでしょ、
泡でヌルヌルになると大胆になってあたしの胸に押しつけてくるからあたしもオッパイをグルングルンと押し当てていた。
「気持ちが良いね、もっと下の方も塗るよ」
「キャー気持ちいいところ触って」
さっきはベッドで脚を舐められたときはなにも感じなかったけど、今は全快に感じてる。
やっぱり緊張してたんだね。
指があたしの脚の付け根に潜り込ませ秘部を指の腹で擦られたら反応しちゃって
腰を引いたら指が追いかけてきて、
脚を広げて背伸びしたり指から逃げようとしてもしつこく秘部の入り口に指を突き立ててくる。
「入れないで、お願い」
「入れない約束は守るよ、でも入れてないしコチョコチョしてるだけだし」
「意地悪な言い方」あたしだって負けちゃいないよ。
ゼン君のペニスを握って強くギュッとしたら「痛え」って言うから力を緩めて
上下に動かした。反対の手で玉を触ったけどこっちの方が気持ちいいみたい
「ああっあ」って声を出したよ。
あたしはゼン君の大きなからだにしがみついて泡の付いた脚を絡めたら、
太股の内側って男の子でもスベスベしているんだね。すりすりするのが気持ちよかった。

 体中の泡をシャワーで落として、寒いからもう一回風呂に入ろうってなって、
仰向けになったゼン君の身体からペニスだけがお湯から突き出ていて笑っちゃった。
今度は脚の間に座るように入ってペニスをお口でパクリと咥えちゃった。
何度も顔を動かしたら
「イキそう、出ちゃうかも」って言ってたけど咥えたままで舌を動かしたら
「やばいって」「やばくないよん出してもいいからね」そんなことを言ってる間に
「うっ」ってなって大量の白い液が口に入って来た。
「ゴメン」って言ってたけどあたしからしたら「ごちそうさま」って感じだ。
こんな味がするんだって確かめてから口から吐き出しシャワーのお湯で口を濯いだ。
あれを飲み干すにはまだ経験が足りなかった。
 射精の後もオチンを握っていたら、まだ「うっ」とか言ってた。
 ベッドへはあたしが先に入っていた。
裸の身体を仰向けにして寝転んだ、だってあたしのオッパオも
オマンも全てをゼン君に見てもらいたかったから。
手で触って欲しかった、ゼン君がいまジッと見つめている所を
舐めてくれたら嬉しいな。
 ねえゼン君、なにをしてくれるの?


 陽子の身体は魅力的だ。背はスラッとして高く腰は高校生の割にくびれている。
まるで洗練されたモデルのようだ。
胸だって標準サイズかも知れないが膨らみは柔らかく、乱暴につかんだら形が崩れてしまいそうで、
舌で触れるくらいが丁度良い。脚も形が良く膝の辺りも変に膨らんでいない。
股間には薄らといった感じのヘアーがはえている。
秘部は触れたら直ぐに湿り、本人は気がつかないと思うけど、女の子の匂いが鼻をくすぐるのである。

 ボクが太股を舐めたときに反応が少なかったのが残念だけど、添い寝をしているとき、
白くなめらかな脚の間にボクの脚をもぐらせ、ボクの太股が陽子ちゃんの秘部に触れたとき
身体が反応しピクンと感じてくれたのが嬉しかった。
ようは何処が感じるのかでは無く、どのように触るかで反応が違うらしい。
 風呂場で長いキスを交わし、陽子はボクのペニスを握り咥え白い液を口に受け止めた。
緊張もほぐれ、セックスが始まる予感に興奮しているのだろう。
 ベッド上では天井を見つめているだけ、そうすればボクがエッチなことをしてくれる。
陽子ちゃんの気持ちがわかったのでゼンは遠慮せずに陽子に脚を絡ませた。

 ここからはゼン君の独壇場であたしのオマンにいろんな事をしてくれそうだし。
目を瞑ってそれを受け入れるだけ。終わったらキスをしながらまったりしたいな。
 ゼン君がベッドに潜り込んできた、あたしの横に寝て足下にまとまっていた毛布を身体に掛けた。
横を向いて脚を絡ませてきたけど、横に寝て私の身体をギュッと引き寄せてくれた。
「え、やらないの、あたし大丈夫だよ」
「それより少し話をしようか、俺って陽子ちゃんのことよくしらないし」
「う・・・・・・ん、お話もいいけど・・・・・・」
あたしはゼン君の胸の辺りに顔を押し当てていたけど、上にずり上がって
小さい枕に頭を乗せてっと、顔が近い。
この状態ならお話会もいいかな。
顔を見つめながら、ときどき「好きだよ」とか言われながらチュッってしてくれたら幸せかも。
でもあたし達のキスはチュッじゃなくて、ベロンベロンだから。
 もしこれから学校でキスするチャンスがあったら、唇を合わせるだけのキスじゃ満足できない。
少なくとも舌を絡ませてキスしなきゃ詰まんないだろうな。普通のキスだけでもいいけど。
 さすがに文芸部の部員だ、言葉を操り文章をまとめる作家気取りでも、
妄想モードに入ってしまったようだ。
 手でゼン君の胸を乳首をさすり頭をゼン君の顔に寄せた。
彼の手が陽子の背中に回り身体を密着させられて「うふーん、素敵な感じ」
あたしはゼン君の頬を触り目を見つめ、そして恥ずかしそうに下を向く。
明らかにゼン君の態度が変わった瞬間だった。
背中に回っている手がお尻までさげ肉をつかむようにされ指の先端がお尻の穴を刺激した。
変な感じだったけど、あたしも彼の背中から手をずらし彼の頭の後ろに移動させた。
力を入れてギュッとしたら彼ったらあたしがキスをねだっているって思ったのか、
唇をとがらせ瞼と頬に触れ、唇にもキスをくれた。
 優しい雰囲気ね。男の子ってみんなこんな感じなのかしら。
違うと思う。
でも彼って全然あせった感じが無くて、こっちもそれにつられて落ち着いていられる。
「陽子ちゃんって大学にいくの」
突然の関係ない話に、エッて思ったけど、これもお話会の一つなのね。
「行くと思う」
「ボクはね、将来は学校の先生になりたいんだ。でもそれだけじゃ無いんだ」
打ち明け話みたいになってきたけど、ゼン君のこと何でも知りたい。
「そうなの、なにをやりたいの」
「海外の貧しい国へ行って、教師になりたいんだ。だから大学へ行ったら英語の勉強もがんばらなくっちゃなんだけど、大丈夫かなって思ってる」
「海外へ行っちゃうの」
「そうかも知れない、だから文芸部のみんなとは高校を卒業したら会えなくなっちゃう。一緒にいるとこんなの楽しいのに」
「そうだったの、だから今日もこうやってあたしと」
「ゴメンね、だからってエッチして逃げちゃうってのとは少し違うんだけど」
「いいのよ、他の子も知ってるの?」
「ううん、陽子ちゃんだけ知ってる、今始めていったから」
陽子は自分だけが知っているゼンの秘密を共有したようで嬉しかった。
ユキちゃんも知らないことなんだ。

 肌を重ねるだけで、お互いのわだかまりが一切消えてしまうことがある。
恥ずかしくて口もきけなかった異性も、隣り合って座り肩が触れあっただけで緊張が無くなり打ち解けることもある。文芸部の仲間達はそういうことを意識せずに過ごしてきた。
悲しくなったらゼン君の手を握ったり、嬉しいときは女の子同士でハグをスルのは日常のことだった。
手をつなぐ、ハグし合う、気持ちを落ち着かせたり嬉しいことも悲しいこともそうやって共有してきた。それが文芸部だった。これからは切ない気持ちのときはキスをするのだろうか。まさかそれはないだろう。それより切ない気持ちはこうやってセックスを知ってしまったことで生まれる感情なのかも知れない。だから大人の女性はため息をつくのだろうか。ゼンはそんな考えを頭の中に発生させ、陽子を抱きながら答えを出すのだろう。
 そこにはゼンにしか解らない行動があった。全体を見つめ最善の結論を見つける。他の人にはない能力かもしれない。ゼンも最近になって自分の能力に気づき始めたばかりだ。文芸部担当の美佐子先生のお陰でもある。
 ゼンは急に力を入れて陽子を抱きしめた。


↑↑ サンテグジュペリ曰く「大事なものは目に見えない」だそうです。
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同級生達は身体の関係を通じて
お互いの心の中が見える事に気がついた。
特別な能力とか超能力などでは無い。
ギフテッドが使いこなせる普通の能力といっても良い
これから文芸部の生徒達はどのように成長していくのか。
成長し続けた先にあるものは、人としてとても大事なことだと気づく。

まだ続きます。

投稿者 r65life

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